子供に絵本を読んであげる時間ほど大切にしたい時間はありません
この時間をどれだけ子供と共に快適に有意義に過ごせるかが読育にはものすごく重要なポイントです
それぞれ子供の成長具合によるとは思いますが時間が許すなら少しでも絵本を読み聞かせてあげたいところですね
子供が聞いていないのに一人で読み進んでいる状態になっていないでしょうか?
子供のスピードに合わせられていますか?
好きなページを把握していますか?
もっと絵本が読みたくなる工夫をしていますか?
私はこれまで色々な方法を試みながら私と子供に合った方法を探し続けてきました
もちろんそれはこれからも子供の成長に合わせて多少なりとも変化させていくのでしょうが
ひとまずは落ち着いた方法が見つかったのでそちらをシェアしたいと思います
目次
本は成長の種である
まずはその方法について語る前に
子供が本を読めた方が良いのかどうかについて考えてみます
人は生きていく中で必ずといって良いほど本を読みますよね
子供の頃は保育園・幼稚園で絵本や紙芝居を
小学校に入れば教科書を
中学校・高校と上がれば受験などに向けて辞典・参考書を
大人になれば専門書・資格取得関連書など
趣味には小説・雑誌・マンガ本を
その他本が好きな方なら一生のうちもっともっと沢山の本を読むでしょう
少なからず一冊も読まずに生きていくことは無いといっても過言ではありません
ざっくりと考えて見てもこれだけ本と触れ合って生きていくという事と
『人は”本と出会い”によって成長する』
という言葉を以前どこかで耳にした事があるのですが、本から多くのことを学ぶことができるのは多くの人が感じていることでしょう
『本が読めないということはその分だけ人より成長が妨げられている』とも言えます
つまり本は読めた方が良いということあって、それを助長してあげるのが親の務めだと考えているのです
最も集中できる本読みの「姿勢」
では早速、本の読み方に移ります
本の読み方に関してはおそらくいくつかのやり方が存在しているのだろうと思いますし
現に私もどのような読み方が子供にとって良いのかを考え本を読み試してきました
そのなかでも注目したいのは『座り方』です
本を読み聞かせるときにベストなのは親と子供がぴったりとくっついた状態で読んであげるということです
子供を親の組んだ足の上に座らせ、後頭部をお腹や胸にくっつけた状態で読んであげることで、声を発する時の振動が親のお腹や胸にくっついた子供の後頭部から伝わります
これが親にとっても子供にとっても1番効果的です
体感的に声を感じることで記憶に残りやすくなるからです
もちろん紙芝居のように向かい合って読んであげるのも悪くはないと思いますが
実はあの紙芝居ですが行う上でいくつかのテクニックが必要なんですね
例えばそのテクニックとして
- 必ず紙を一枚ずつ見せるということ
- 見終わった紙は床に捨ててはならないということ
- 見終わった紙を即座に紙の後ろに隠すということ
など
さらには本のように見開きになって2ページに渡って見せてはいけないということなどがあげられます
これらは子供が紙芝居に集中するための大事なポイントで、ただ単に読んでめくって読んでめくって…という事ではないんですね
それに何よりも私たち一般人は紙芝居のような一枚一枚ページを作っている暇もありません
作れたとしてもかさばりますしね…
なのでそんな時間があるならその分だけ本を読み聞かせてあげた方がよっぽど時間の効率がいいのです
そしてまだ子供が小さい頃は親ととにかくくっついていたいものなので
出来るだけ体が密着するような形で読むことが子供にとって安心して本に集中できる環境だということが言えるのです
子供の意識を誘導する「読むスピード」
読むスピードは『子供の成長具合』と『ページを開きたがっているかどうか』をよく見て進めましょう
最初はページ数も文字数も本と言えるものではないくらいの絵のみ描いてあるようなものを何冊か固定で選び
それを日々繰り返し繰り返し読み(見せ)ます
そこに親なりの言葉を付け加えてもいいし
「車」「ぞう」「スイカ」などといった本に描いてある絵の名称だけを指差して読んでもいいのですが
出来るだけ最初はペラペラとページをめくるだけにしましょう
子供の集中力と注意力はまだまだ未熟です
もしお子様が1才前くらいなのであれば反射的にページを目に入れる程度で良く、じっくりと読む必要はありません
一緒に絵を見て物の名称を覚える程度で充分でしょう
そして徐々に子供の反応を良く観察して滞在時間を長く出来そうなら1ページあたりの情報量を言葉によって増やしてあげます
そのやり方ですが、例えば
ただ鳥が描かれたページだったとします
その鳥を指差して「これはとり」という情報のみだったものを
「キレイな鳥だね」
「とり飛んでるね」
「とりいっぱいいるね」
といった描かれている絵の詳細な情報を徐々に付け足してあげていくわけです
これは子供の目の動きや反応をきちんと見て的確に行う必要がありますのでその点にだけ注意が必要です
興味がなさそうなのに一方的になっていないか冷静に確認しながら進めましょう
言葉の投げかけに一生懸命になるがあまり、子供の反応が悪かった時に自分のやっている事が無意味に感じてしまい、本読みがイヤになって投げ出したくなってしまいますよ泣(体験談)
本読みの途中で子供の興味がほかに移ったなら、迷わず自分もそれに合わせましょう!
あくまでも主人公はお子様ですので。
そしてもう一つ、本読みの際は『本を自ら開く』という事を意識的に誘導してあげる事が大事です
読み途中でつぎのページに微かに指を入れ、ページを浮かしておき、子供が手のひら全体でページをめくるようになるのを待ちます
本読みが楽しく感じていればそのうち自分でめくり始めますよ
まずはその動きを助長してあげて自分のペースを身につけさせてあげましょう!
親はあくまでもそのペースに合わせてあげれば良いだけです、決して親のペースにならないように注意しましょう
本に関心を持たせる「アクション」
1歳児の子供が本を読む際は実に移り気が多いものです
こちらの本を読むと言ったかと思うとすぐに別の本に興味が移ってしまったり。
それだけ注意力が散漫であるとも言えますが興味心が強いともいう事ができます
私たちはすっかり無くしている感覚ですが、1歳児の子供にとってみたら見るもの見るものが初めてで新鮮なものなのです
見たこと無いものを初めて見る時のワクワク感
まだ覚えた記憶を留めておくという事よりも次々と新しい情報が五感を通して脳を刺激している状態です
その移り変わる子供の注意をこちら側がうまく誘導してあげなければなりません
その為の一つとして、指を指して見るべき対象を絞るというやり方があります
行為としてはなんて事ない簡単な事ですが、その効果は絶大です
一緒に読んでいる本の焦点を子供と合わせることで説明する対象を絞れれば視覚を通して得た情報と聴覚を通して得た情報が重なります
親が一生懸命説明してたとしても実は子供が反対側のページに注意が向いていたとしたらどうでしょうか?
とてもチグハグな、すれ違いのような状況だと言え、努力が無駄に終わってしまいます
説明する際は読む対象を指差し指定してあげましょう
それともう一つは、体を動かすことをして体感的に伝えるという事です
先述した座り方で一緒に本を読んでいる状況であれば、本の内容に合わせて足を使って体を揺らしたり、くすぐったりするのもいいでしょう
風が吹くシーンでは口でフゥーッと息を吹きかけるだとか
足を電話に見立ててボタンを押すようにしてストレッチするように耳に足を当ててみたりなんかも面白いですね
その時々の本の状況によってうまく体を使って五感で読む事は脳に強烈に刺激を与えます
沢山の神経伝達は脳の良い刺激となるほか、記憶に深く残りやすくなりますので出来るだけ行うようにした方がいいでしょう
感情を教える「声の抑揚」
本というものは静的なものです
そのままでは音が出るものではありませんし(サウンドブックは除く)
当たり前ですが本が喋りかけてくれるわけでもありません
本を開いただけでは絵から情報を得る以外には1歳児の子供にはアイディアがありません
親の声という動的なアクションがあって初めて活きてきます
しかしながらもしもその唯一の動的アクションが、一定で単調なものだとしたらどうでしょう?
せっかくの本というものが何だかつまらないものに終わってしまいます
つまらない本をもう一度見たいと思う大人もいないように、子供も一度つまらないと思うと一気に関心が薄れます
逆に面白いものは何度でも見たくなりますよね
そして1歳児の子供というものは普段とても感情的であっても、本人の感情をうまく理解しているわけではありません
今自分がどんな感情なのかはよく知らずに、思いついたままに行動している事がほとんどです
コントロールの仕方も表現方法もわからないのです
本はそういった感情のコントロールを教えてあげるいい機会でもあります
本の内容にそういったものがあれば良いのでしょうが、決してそのようなものだけではないことも多いです
親の声の抑揚によって喜怒哀楽を無意識のうちに感じさせましょう
できるだけ声のトーンを多様にし、効果音もよりリアルな音の方がいいでしょう
裏声を多用しキャラクターを演じ、怒った時、嬉しい時、びっくりした時などできるだけ抑揚をつけるようにしてメリハリを出しましょう
そうすることによって「なんだか面白いもの」というイメージを子供に植えつけさせるのです
効果音に関しては実際の音を意識します
考えてみると豚の鳴き声は実際はブーブーではないはずです
カラスはカァよりはアーの方が近いですし
カエルはゲロゲロ・ゲコゲコとは鳴きません
ライオンはガオーなんていう可愛い声ではないですね
車の音・りんごをかじる音・風の吹く音なんかもそうです
実際の音に近づければ近づけるほど本と日常生活が結びつきやすくなります
それぞれの音を実際に聞いた瞬間にふと本のワンシーンが浮かんでくる事でより本への愛着が湧きます
リアルと本をシンクロさせることによって生活との結びつきが感じられるのです
それに日本語の発音にない音を発する事で声という発音の幅を広げることもできます
聴覚を多様にしてあげるのです
これについては詳しく説明すると長くなるので別の機会にしたいと思いますが
要は口で色々な音を出せるのだという事を知る下準備だと思えば良いでしょう
あなた自身の声で本を生き生きとしたものに変えてあげましょう
おわりに
本には大きな可能性が隠されています
しかし、私たちが他言語を習得しようとする時を考えていただければわかるように
楽しい、わかる、好きといった感覚が無ければ勉強を続けることは困難です
1歳児の子供にとってみては日本語もいわば他言語、未知なる世界です
本に書いてある簡単なひらがなですら記号のように写っています
声の抑揚や五感を使い体感的に意味を伝える手助けをしてあげれるかどうかで伸びしろが全く違ってきます
英語の勉強も始めの段階を優しく丁寧に楽しくそしてよりリアルに、ステップを踏んでいたら私たちの英語力も全く違っていたことでしょう
あなたの子供の日本語力をどんどん伸ばしていくためにも、我が子の教師である親のあなたが優しく丁寧に楽しくそしてよりリアルに子供に教えていくことがいかに大事かがわかっていただけたでしょうか?
あなた自身が本への可能性を感じ、本を好きになる事
親子ともに楽しい本活をして、お子様の未知なる可能性をどんどん引き出していきましょう!
以上、「本好きになる!1歳児への最適な本の読み聞かせ方」でした
最後までご覧いただきありがとうございました